苦しい戦い続きの日々に訪れた束の間の休息。
皆それぞれに体の疲れを癒し、明日をもしれぬ今日を思い思いに過ごしていた。 「パーシバル様ぁ〜」 パーシバルは木陰で一人静かな時を楽しんでいたが、相変わらずひょこっりと現れたララムを見るとあからさまに顔を顰めた。 「また君か」 「やだ、相変わらずの仏頂面」 「何の用だ」 折角の休息時間にやかましくされてはかなわない。用があるならさっさとしろ、と促した。 「もう、せっかちなんだから〜。じゃあ早速、パーシバル将軍の好みを教えて下さい!」 いきなり何を言うのか。 下らん、と言い捨てて立ち去ろうとするパーシバルの腕をララムが掴んだ。 「待って下さいってば」 「君がそんな事聞いてどうする」 「私は代表で聞きに来たんですよ〜」 ふと見れば、ララムの腕の中には『傾向と対策』と書かれた妖しげなノートが収められている。 パーシバルは不審そうな目を向けたが、怯まず見返された。 「これは軍の士気に関わる重要な問題なんです」 ララムはびしっと言った。一体全体何の士気だというのか。 「好みなど知らん。考えた事がない」 「えー」 面倒臭そうに言ったパーシバルにそれじゃ困ります〜、とララムは喚いた。 「巷で人気のパーシバル様の好みを聞きたいって女性が押しかけてもしりませんよ〜。それに、ちゃんと答えないとミルディン王子って事になっちゃっいますよ。それはパーシバル様だって困るでしょう?」 ララムの言葉にパーシバルは眉を顰めた。 「なんだそれは」 「知らないんですか?軍内のう・わ・さ」 噂など知らないが、ララムの言い方からおおよそ想像のついたパーシバルは軽い頭痛を覚えた。 「そうは言われてもな。好みなどわからん」 深くため息をつきながら言うパーシバルにララムは人差し指を立てた。 「じゃあ、このあたしに任せてください!」 かくしてパーシバルの安息の午後は奪われ、ララムの調査が始まったのである。 「あ!ミレディさんとエレンさんです。どっちが好みですか」 「・・・」 「傾向を掴むだけなので、本気で考えなくっていいですから〜」 悩むパーシバルにララムは軽く答えるよう促した。ならばとパーシバルもしぶしぶ指を指して応える。ララムを追い払うよりさっさと答えて開放されるのが最良と考えての事だった。 「か弱いよりは強い人って事ですか」 「まぁそれなりには強い方がいい」 なるほど、呟くとララムは熱心にノートを取り始めた。 ララムは女性を見つけては次々とパーシバルに尋ねた。 「シャニーとティト」 ふむふむ、元気系よりは控えめ系。 「フィルとドロシー」 おや、意外に面食い。 「ソフィーヤとイグレーヌさん」 色気も必要、と。 「あっ、エキドナさん〜!」 「・・・女だったのか・・・」 失礼な。 「ファちゃん〜」 「いくらなんでも・・・あれは犯罪だろう」 ロリの気はなし、と。 「ちなみにニイメのおばぁちゃんって知ってます?」 あ、すごい顔。問題外、っと。 こうしてララムは散々軍内を連れ回し、ようやく元の木陰に戻って来た。 「大体わかりました」 「そうか、もういいな」 「いえいえ、最後に重大な問題が残ってます」 重大な問題、とパーシバルも不思議そうな顔をした。 「国の問題です。やっぱりエトルリアの人が良いですか?」 「こんな時代だ。国が同じほうが問題は少なくてすむな」 うーんとララムは唸った。国を限定する事は多くの女性の望みが奪われる事になるため避けたかったのだ。 まぁそのほうが障害は少ないって事で、と曖昧に記しておく。 「じゃあ、セシリア将軍とクラリーネではどっちが良いですか?」 パーシバルはだいぶ悩んでからクラリーネと答えた。 正直クラリーネのお嬢っぷりは苦手であったが、何を考えているのかいまいち掴めないセシリアよりはましと判断しての事だ。 「じゃあ、クラリーネとクレイン将軍」 「それならクレイ・・・」 言いかけてパーシバルはさっと口を噤んだ。 「オイ、何言ってるんだ」 「えー、だから好みの話ですよ〜」 ララムはくすくすと笑いながら言った。笑いながらもその目がきらりと光る。 「即答でしたね」 「ふざけるな。男好きなどと書いたら命は保障しないぞ」 その目に本気を感じ取ってララムは仕方なくノーマル、と書いた。 「むむぅ〜。他に追記はありますか?」 「芯が強くて真面目で・・・ちゃらちゃらしてない」 最後のはララムへのあてつけだろうが仕方なくそれも書き込む。パーシバルはノートを覗き込んで軽く確認すると、もういいだろうとララムの元から離れていった。 その姿が見えなくなるとララムはふぅと息を吐く。 好みを聞くのだけでも大変な人だ。 けれどもあのパーシバル相手にしては思ったより収穫が得られたと、改めてノートを見直す。 「ふむ、傾向は大体OK。あとは、対策・・・」 ノートを前にララムはちょっと考えて、それからすっとペンを走らせた。 クレイン将軍、っと。 ララムの女性らしい可愛らしい文字がしっかりはっきりそう綴った。 そして、何がどうしてそうなったのかわからないその「対策」は、その後女性陣の間で大きな波紋を呼ぶのだった。 生死を賭けた戦渦の中。 これはそんな軍内のとある日の出来事。
パーシバル将軍。
ええっと、カッコよく書けませんでした(反省)。 全く下らなすぎな話。 好みは私の私見ですから、怒らないで見逃して下さい。 密やかにパークレ好きなのですが、自分で書けるのはせいぜいこんな話(泣) |
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